SHARE:

防振ゴムとは?硬さと厚みの選び方、寿命の目安もあわせて確認

洗濯機の脱水が始まると、床板がぶるぶると鳴ります。

脚の下に挟む黒いゴムの塊、あれが防振ゴムです。

防振ゴムは、機械の振動が床や壁へ伝わるのを減らすために脚の下や取付部に入れるゴム部品で、硬さをあらわす硬度(デュロメータA)と厚みの2つで性格が決まります。

同じ見た目でも、硬度50のものと硬度70のものでは沈み方がまったく違い、重い機器に柔らかいゴムを使うと潰れきって効果が出ません。

本記事では、防振ゴムの硬度と厚みの読み方、荷重からの選び方、ゴムの寿命と交換の見きわめ方を解説します。

KAGUASHI編集部
商標登録番号:第6806912号

KAGUASHIは家具のソックスチェアやキャスターストッパーなど家具の脚を保護するカバーを販売している国内ブランドです。当サイトでは販売中の製品や使用アイデアなどをご紹介いたします。

※本記事はAIの補助を得て作成し編集部が校正しています。

防振ゴムは「振動を熱に変えて逃がす」ための部品

防振ゴムは、機器と設置面のあいだに入れて、機器が出す振動が床や架台へ伝わる量を減らす部品です。

ゴムは押されると変形し、戻るときに一部のエネルギーを熱として逃がします。

この性質を使って、振動の伝達を小さくします。

似た名前で「防音」「制振」「緩衝」という言葉がありますが、役割は別です。

防音は空気を伝わる音を遮ることを指し、防振ゴムが受け持つのは、床や壁を伝わる固体伝搬音のほうです。

洗濯機や室外機の低いうなりが階下に届くのは固体伝搬音なので、ここに防振ゴムが使われます。

一方で、室内に響くモーター音そのものを小さくする部品ではありません。

もうひとつ押さえておきたいのが、ゴムは「潰れすぎると効かない」という点です。

機器の重さでゴムが限界まで圧縮されると、ゴムは硬い塊と同じになり、振動をそのまま床へ渡します。

防振ゴムの選定で硬度とゴムの厚みの話が必ず出てくるのは、この「適度に沈んだ状態」を作るためです。

防振ゴムと防振パッド・制振マットの呼び分け

売り場では、ブロック状のものを防振ゴム、面で敷くシート状のものを防振パッドや防振マットと呼び分ける売り場があります。

ただしこの呼び名に統一規格はなく、メーカーによってはシート状の製品も防振ゴムと表記します。

買うときは名前ではなく、形状と寸法、硬度の表記を見てください。

防振ゴムの硬度は数字が小さいほど柔らかい

硬度は「A50」「硬度60」「Hs70」などと書かれ、デュロメータタイプAという測り方での数値です。

範囲はおおよそ30から90で、数字が小さいほど柔らかく、大きいほど硬くなります。

消しゴムに近い柔らかさが40前後、自転車のタイヤに近い硬さが70前後と考えると感覚がつかめます。

硬度の表記沈み方向いている荷重
A40〜A50指で押すと明確にへこむ軽量な機器。1個あたりの荷重が小さい場合
A55〜A65指で押すとわずかにへこむ家庭用の洗濯機・室外機など中程度の荷重
A70以上指ではほとんどへこまない重量のある機械や、横ずれを抑えたい場所

柔らかいほど振動は吸収しますが、そのぶん機器が揺れやすくなります。

ドラム式洗濯機のように運転中に本体が大きく動くものへ柔らかすぎるゴムを入れると、脱水時に機器そのものがふらついて、かえって音が増えることがあります。

反対に硬すぎると沈まないため、振動がほぼそのまま床へ伝わります。

硬度が書かれていない製品の見分け方

ホームセンターや100均で売られている小さなゴム片には、硬度の表記がない製品もあります。

その場合は親指で押してみて、はっきりへこむか、ほとんど変形しないかで柔らかさの見当をつけてください。

数字が分からない製品を重い機器に使うときは、設置後に実際に沈み込んでいるかを横から見て確かめます。

防振ゴムの厚みは「沈みしろ」を確保できるかで決まる

防振ゴムの厚みは5mm、10mm、15mm、20mmといった刻みで売られています。

厚いほどゴムが沈む余地が増えるため、同じ硬度なら厚いほうが振動を吸収しやすくなります。

目安として、荷重がかかった状態でもとの厚みの1割から2割ほど沈んでいれば、ゴムとして働いている状態です。

薄いゴムを重ねて厚みを稼ぐのは、おすすめできません。

層のあいだで横にずれて機器が傾いたり、荷重が偏って一枚だけが潰れたりします。

厚みが足りないときは、はじめから厚い製品を選んでください。

厚みの上限は設置場所が決めます。

洗濯機なら、防水パンの縁に本体が当たらないか、給排水ホースに無理がかからないかを確かめます。

室外機なら、かさ上げした結果ドレンホースの勾配が変わらないかを確かめます。

10mm上げただけで配管が突っ張ることがあるので、厚みを決める前に周囲のクリアランスを測っておきます。

洗濯機まわりの具体的な条件は洗濯機の防振ゴムで振動音が減る条件で解説しています。

荷重から選ぶ手順|機器の重さを脚の数で割る

選び方の出発点は、ゴム1個が受け持つ荷重です。

機器の質量を、接地する脚やゴムの数で割って求めます。

洗濯機の質量は取扱説明書か本体背面の銘板に書かれており、ドラム式なら70kg台から80kg台のものもあります。

仮に80kgで脚が4本なら、1個あたり20kgです。

次に、その荷重が製品の許容範囲に入っているかを見ます。

防振ゴムに「1個あたり◯kgまで」といった使用荷重の表示がある場合は、その範囲の中ほどに自分の荷重が収まるものを選びます。

上限ぎりぎりだとゴムが潰れきり、下限を大きく下回ると沈まずに硬い板と同じ働きになります。

室外機の場合は、脚の数ではなく接地している面の数で考えます。

多くの室外機は2本のレール状の脚で立っているので、4個のゴムを使うなら各レールに2個ずつ、重心を挟む位置へ置きます。

ここで水平が崩れると圧縮コンプレッサーの振動が偏り、音が増えることがあります。

置き方と水平の直し方は室外機の防振ゴムの置き方と水平の出し方で解説しています。

表示荷重がメーカーごとにずれる理由

同じ硬度50、同じ10mm厚でも、A社は1個30kgまで、B社は1個15kgまでと書いていることがあります。

これは、許容荷重を「ゴムが何割沈んだ時点」で区切るかの基準が各社で違うためです。

1割沈んだ点を上限とするメーカーと、3割沈んだ点まで許容するメーカーでは、同じゴムでも表示値が倍近く変わります。

そのため、数値だけで他社製品と比べても意味がありません。

判断の順番は、まず自分の荷重を計算し、次に1つのメーカーの表示の中で適合するものを選び、最後に設置してから沈み具合を目で確かめる、という流れにしてください。

横から見てゴムの側面がわずかに膨らんでいれば、荷重が乗って働いている状態です。

側面がはっきり樽型に膨らんでいたら、硬度を上げるか面積の大きい製品に替えます。

合っていないゴムを使ったときに起きること

柔らかすぎる、あるいは薄すぎるゴムを重い機器に使うと、設置した直後は静かでも、数週間でゴムが潰れて元の音に戻ります。潰れたゴムでは、ゴムの厚みが半分以下になり、機器の高さも下がるため、洗濯機なら排水ホースの勾配が変わって水はけが悪くなることがあります。

硬すぎる側の失敗は、効果がまったく感じられないという形で出ます。ゴムは入っているのに沈んでいないので、振動は床へそのまま伝わります。

設置面の不整合も見落としがちです。

ゴムの上面より機器の脚のほうが小さいと、荷重が1点に集中してゴムがえぐれます。

逆に脚のほうが大きいとゴムの縁で支えることになり、斜めに潰れます。

脚の接地面とほぼ同じ大きさで、形が合うものを選んでください。

段差のあるベランダのタイル上では、ゴムが片当たりして傾いた状態で固定されることもあります。

防振ゴムの寿命は3年から5年が交換を考える目安

ゴムは時間とともに硬くなり、弾力を失います。

原因は紫外線、オゾン、熱、そして荷重がかかり続けることによる永久ひずみです。

屋外の室外機に使うゴムは紫外線と温度変化を直接受けるため、屋内の洗濯機下よりも傷みが早く進みます。

防振ゴムの寿命は使用環境で変わりますが、屋外で3年前後、屋内で5年前後を点検の区切りにすると判断しやすくなります。製品そのものの保証や耐用年数が表示されている場合は、その数字を優先してください。

交換したほうがよいゴムのサインと、屋外で選ぶゴムの材質

  • 表面に細かいひび割れが入っている
  • 荷重を外してもゴムの元の厚みに戻らず、潰れた形のままになっている
  • 指で押しても沈まず、買ったときより明らかに硬くなっている
  • 端が欠けている、または粉を吹いたように白化している
  • 設置した当初より運転音や振動が大きくなっている

天然ゴム(NR)は弾力に優れる一方で、耐候性と耐油性が低く屋外では劣化が早まります。

クロロプレンゴム(CR)やEPDMは耐候性が高く、屋外用として表示されている製品にはこれらが使われます。

室外機やベランダに置くなら、屋外用の表記があるものを選んでください。

油がかかる可能性のある場所では、耐油性のあるニトリルゴム(NBR)の表示を探します。

硬度・ゴムの厚み・荷重の表示はどこに書かれているか

パッケージの裏面か側面に、材質、硬度、外形寸法、使用荷重がまとめて印刷されています。

確認する順番は、まず外形寸法とゴムの厚み、次に使用荷重、最後に材質と硬度です。

寸法は「50×50×10mm」のように縦×横×厚みで書かれ、丸型なら「φ40×H15」のように直径と高さで表記されます。

φは直径、Hは高さを指します。

通販の商品ページでは、これらが仕様表に載っていることもあれば、商品画像のパッケージ写真の中にしか写っていないこともあります。

仕様表に硬度の記載がない場合は、画像を拡大してパッケージの印字を確認してください。

それでも分からなければ、材質と厚みと外形寸法だけで判断し、設置後に沈み具合を見て合否を決めます。

ボルト穴やネジ付きの製品には、M8、M10といったネジ径の表記があります。

これは機械への取付用で、家庭で床に置いて使う用途では不要です。

製品タイプごとの違いは防振ゴムの種類と特徴で解説しています。

よくある質問

防振ゴムと防振パッドは何を見て選べばよいですか

選ぶときは呼び名ではなく、接地面の形に合う寸法かどうか、使用荷重の範囲に自分の機器が入るかどうかで判断してください。

防振ゴムの代わりに使えるものはありますか

古いマウスパッドやダンボールを挟む方法が紹介されることがありますが、マウスパッドやダンボールの素材は、荷重で潰れた後に戻らないため、防振の働きが続きません。

吸水性のある素材を洗濯機の下に敷くと、湿気がこもってカビの原因になることもあります。

ゴムの厚みと硬度が表示された防振用の製品を使ってください。

硬度の違うゴムを脚ごとに使い分けてもいいですか

避けてください。

脚ごとに沈み込み量が変わり、機器が傾きます。

傾いた状態で運転すると振動が一方向に偏り、音が増えることがあります。

4か所使うなら、同じ硬度・同じ厚みの製品で揃えてください。

まとめ

防振ゴムを選ぶ順番は決まっています。

機器の質量を脚の数で割って1個あたりの荷重を出し、その値が使用荷重の中ほどに収まる製品を選び、設置後に側面がわずかに膨らむくらい沈んでいるかを横から確かめます。

硬度は数字が小さいほど柔らかく、重い機器に柔らかすぎるものを使うと潰れきって働かなくなります。

屋外なら耐候性のあるクロロプレンゴムやEPDMの表記を探し、屋外で3年、屋内で5年を点検の区切りにしてください。

ひび割れや、荷重を外しても戻らない潰れが出ていたら交換の時期です。

ぜひ本記事の硬度表と荷重の計算手順を参考に、手持ちの機器に合う防振ゴムを選んでください。

この記事を書いた人

KAGUASHI編集部
あなたへのおすすめ