【お風呂安全対策】滑り止めマット以外にできることとは?

家庭内での事故の中でも、特に高い割合を占めているのが「浴室での転倒事故」。厚生労働省の統計でも、年間を通じて多くの高齢者や子どもが浴室内でけがをしていることが報告されています。中でも滑って転倒するリスクは非常に大きく、多くのご家庭で滑り止めマットが活用されています。

しかし、安全対策は滑り止めマットだけでは不十分。マットに加えて**「他にできること」**を知っておくことで、浴室の安全性はさらに高まります。この記事では、お風呂での事故を防ぐための具体的な対策を紹介していきます。

KAGUASHI編集部

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目次

1. なぜ滑り止めマットだけでは不十分なのか?

滑り止めマットは、濡れた床での滑りを防ぐうえで非常に効果的なアイテムです。しかし、以下のようなリスクには対応しきれないのが実情です。

  • 立ち上がるときのふらつき
  • 浴槽の出入り時のバランス崩れ
  • 急激な温度差によるヒートショック
  • 床以外の滑り(浴槽内・椅子など)

こうした複合的なリスクを考えると、マット以外の対策も講じることが、安心してお風呂を楽しむために重要となります。

2. 浴室安全対策①:手すりの設置

浴槽の出入りや体を洗うときなど、体勢が不安定になりやすいタイミングでしっかりと握れる手すりがあると安心です。

● おすすめの手すりの場所

  • 浴槽の縁の近く(出入りのサポート)
  • 洗い場付近(立ち座り時の支え)
  • 脱衣所〜浴室の出入り口

● 取付タイプの種類

  • 壁固定タイプ(工事が必要・安定性◎)
  • 吸盤タイプ(簡易設置・賃貸向け)
  • 浴槽縁固定タイプ(浴槽の内側に手すりをかける)

手すりは、高齢者だけでなく妊婦さんやケガをした人など、あらゆる年代に役立つアイテムです。

3. 浴室安全対策②:浴槽内すべり止め

意外と盲点なのが、浴槽内の滑りです。お湯の中では皮膚も敏感になり、ツルッと滑ることも。

● 対策方法

  • 浴槽内用の滑り止めシールや吸着マットを設置
  • ザラつき加工のある浴槽へ交換する(リフォーム時)

シールやマットタイプは、目立ちにくいデザインも多く、既存の浴槽でも導入しやすいのが特徴です。

4. 浴室安全対策③:バスチェアの見直し

浴室用の椅子(バスチェア)も、実は滑りやすくなりがちなポイント。座面が濡れていたり、床との設置面が小さかったりすると、使用中にバランスを崩すことがあります。

● 安全なバスチェアの条件

  • 滑り止めゴム付きの脚
  • 背もたれ・ひじ掛け付きで安定感がある
  • 高さ調整が可能

高齢者や膝が弱い方には、立ち上がりが楽な「ハイタイプ」もおすすめです。背筋を曲げずに洗えることで、腰への負担も軽減されます。

5. 浴室安全対策④:温度差対策(ヒートショック予防)

冬場に多くなるのが、「ヒートショック」と呼ばれる温度差による体調不良。暖かい部屋から急に寒い脱衣所、さらに熱い浴槽へと移動することで、血圧が急激に上下し、脳卒中や心筋梗塞などにつながる恐れもあります。

● 対策例

  • 脱衣所や浴室に暖房機器を設置(浴室乾燥機やヒーターなど)
  • 入浴前にシャワーで浴室全体を温める
  • お湯の温度を40℃以下に設定
  • 入浴は食後や飲酒後を避ける

特に高齢者がいる家庭では、冬季の入浴環境には細心の注意を払う必要があります。

6. 浴室安全対策⑤:照明・床の色にも配慮

明るさや視認性も、事故防止に大きく影響します。高齢になるとコントラストの認識が弱くなるため、床と浴槽の色の違いがはっきりしていることや、足元が明るく照らされていることも重要です。

● 視認性向上の工夫

  • 明るめのLED照明に切り替える
  • 浴槽縁や段差にカラーマーキングテープを貼る
  • 浴室用メガネの活用(曇りにくく視界を確保)

転倒事故の多くは、「見えにくい段差」に足を取られることで起きています。見え方のサポートは、簡単でも非常に効果的です。

7. 浴室安全対策⑥:入浴前後の声かけや見守り

物理的な安全対策に加えて、家族のコミュニケーションも事故防止には欠かせません。

● 具体的な行動

  • 高齢者が入浴する際には誰かが家にいる時間帯に
  • 入浴前に「これから入るね」、入浴後に「無事出たよ」と声をかけ合う
  • 入浴中に倒れたときのために、浴室のドアは外開きに

また、高齢者や一人暮らしの方には浴室内に呼び出しブザーやスマートセンサーを設置するのも選択肢のひとつです。

まとめ

滑り止めマットは確かに有効な対策ですが、浴室の安全を守るにはそれだけでは不十分です。以下のような複合的な対策を組み合わせることで、転倒・ヒートショック・視界不良など、さまざまなリスクを低減できます。

  • 手すりの設置で体勢の安定をサポート
  • 浴槽内やバスチェアの滑り止め見直し
  • 温度差対策でヒートショックを防止
  • 明るさや視認性の工夫
  • 家族同士の声かけや見守り

「お風呂はリラックスの時間」であると同時に、「事故が起こりやすい場所」でもあります。大切な人や自分自身を守るために、できるところから一つずつ対策を取り入れてみましょう。安全な浴室環境は、安心で快適な毎日への第一歩です。

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